「食品の安全と安心」(2007.2.14)

 ニチロの対応 ブルーべリーとツナ缶
 缶詰業界の老舗、潟jチロで食の安全にかかわる二件の報道がありました。スーパーなどの缶詰や冷凍食品売り場ではおなじみのニチロは、テレビコマーシャルはほとんどしませんが、、水産加工品と農産物の両方に、老舗の技術と安定した商品構成で根強いファンをもっている企業です。当【グルメ缶詰】でも、缶詰のイメージとしてタイトルに写真を使っておりますので、気になる報道であり、少しばかりコメントをさせていただきます。

健康食品としてイメージの強いブルーベリー
通年で利用できる冷凍食品は消費者のニーズにマッチした商品です。
 
 「夕刊フジ」報道への対応
 私がブルーベリーへの異物混入を知ったのは、2月7日のNHKのニュースでしたが、ニチロは同日のプレスリリースで「本日夕刊フジの報道に関して」と1月9日に保健所に提出済みの「調査報告書」を掲載しています。
 これによりますと、消費者からの連絡は、昨年12月16日(土)の夜にニチロのお客様相談室の留守番電話にあり、ニチロは休み明け18日から対応をとっています。保険所との連携、ブルーベリー農場のあるカナダへの調査員の派遣、日本での製造ラインの検証などが行われ、ニチロとして公表・製品回収などの処置をとらなかった理由もきちんと報告されています。
 しかしながら、当該お客様の理解が得られなかったことから、「夕刊フジへの告発となった」ということです。
 プレスリリースのタイトルが、事故そのものではなく、「本日夕刊フジの報道に関して」となっているのもその辺の事情が含まれているものと考えられます。

 ツナ缶
 ブルーべリーの異物混入事件が報道された、翌々9日に、今度は大阪で販売された缶詰「たのみのツナまぐろフレークオイル無添加」(80グラム)の中に、カッターナイフの刃の断片が入っていたとのプレスリリースがありました。
 こちらは、すぐ現品の回収と調査がなされ、べトナムの同じ工場で生産された「たのみのツナ まぐろフレーク油漬」とあわせ480万個の自主回収が決定されています。
 どちらも、食品への異物混入という重大事故ですが、缶詰にカッターの刃の混入というほうが、より重要な問題のように思えます。検査体制の問題はあるにしても、ブルーベリーの事故は偶発的なところがありますが、ツナ缶の方は、明らかに人為的事故だと言えるからです。
  

  カッターナイフの刃が混入し
  ていたツナ缶

 安心を買う
 食品業界は、クレームの多い業界です。味や食感は個人差のあるものですから、美味しくないとか、いつもと味が違うなどの苦情はよくあります。なにより健康と直結した「食」を扱うものですから、お客様は安全には神経質になっています。今回のニチロの事件のように異物混入などはあってはならない事故です。しかしながら、どんなに注意をしていても、事故が絶対起こらないとはいえません。
 大切なことは、いかに正直にそれを公表し、一般消費者が理解納得できる対応や対策をとってお客様に安全を伝えるかということだと思います。
 そういう観点で考えると、今回の二つの事件は対応としては適切なものだったといえましょう。ブルーベリーの事件が報道されなかったのは対処の経過を知れば納得できますし、ツナ缶の自主回収がすばやいのは、ブルーベリーとは事情が違うことも理解できます。ニチロの対応に基本的に問題はありませんし、決してブルーベリーが報道された直後だから、ツナ缶をすばやく対処したのではなく、どちらも同じ基準で対処していると思われます。これは大切なことです。
 しかし、ブルーベリーではお客様が不安や不信を感じたのも事実です。お客様も様々です。対応を間違うと、不安や不信を根強くもたれ信頼を失いますし、他のお客様にも不信は広がっていくことになります。とても難しいことですが、一人のお客様を全てのお客様と思い対応する気持ちが企業には求められると思います。


 風評を絶つ
 今回のニチロの問題とは直接関係ありませんが、食品の安全には風評がついて回ります。
 O157の時のカイワレ大根や、最近ではノロウイルスの牡蠣など生産者に大きなダメージを与えてしまい、深刻な問題に広がります。カイワレ大根の時には大臣がテレビカメラの前で食べて安全性を訴えたりしましたが、こういうのはいただけません。消費者はパフォーマンスを見たいのではなく、事実を知りたいのです。
 風評は、中途半端な情報や憶測が雪だるまのようにふくらみ、転がっていきます。生産者やメーカーに都合の悪いことも含めて、事実を出来るだけわかりやすく伝え、しっかりした根拠に基づいた判断を伝えることで、風評を絶つことは可能です。
 BSE問題や鳥インフルエンザなど、生命に直結する問題が国境を越えてやってきます。是非、食品に携わる方々には、消費者に分りやすく、正確な情報を伝えていただきたいと思います。ひいてはそれが、生産者や企業への信頼につながると思うからです。

  今回コラムでは以下のサイトを参考にさせていただきました。お礼申し上げます。
  「MT MANIAX」2007年02月07日
  ニチロのブルーベリーの散弾銃片混入事故について思うこと
  http://blog.goo.ne.jp/moritomoaki2001/e/7710e3ffa8da03107e70c7e0ed8b0796  

2007.2.14

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