「おでん缶詰」(2006.11.30)

おでん缶詰」をご存知でしょうか。
  数年前に秋葉原の自動販売機で売られていることから、口コミで評判が広がり、最近ではテレビなどでも取り上げられ、ちょっとしたブームになっています。
  こちらの商品は名古屋にある1923年創業の天狗缶詰さんが、開発したものです。
  1985年に商品化され、コーヒーなどの飲料缶と同じく、自動販売機で売られている珍しさから、奇をてらった商品のように思われるかもしれませんが、天狗缶詰さんの熱意はたいしたもので、最初の発売から20年以上たった現在では、つみれ大根、牛すじ大根、がんも大根 とバリエーションもあります。

(初期のおでん缶詰)「矢部直治のアキバB級グルメ探検隊」より
 
「おでん缶詰」の特徴
 「おでん缶詰」の特徴は開けてすぐ食べられる“惣菜缶詰”であることですが、通常の“惣菜缶詰”と決定的に違うことがあります。
 それは異なる具が混在しているということ。
 これは、缶詰の世界では珍しいことです。フルーツミックスや豆の缶詰などでは、何種類か混ざることはあってもあくまでフルーツや豆同士の話で、卵やちくわ、蒟蒻といった違う食材を缶詰の中に混在させるのには、技術的な工夫が必要になります。
  しかも、蒟蒻や練り物のちくわなどの加工された食品は変化も早いですから、大変難しい。
  また、おでんは時間とともに味がしみていく食べ物ですから、缶詰の中でも汁がどのように具にしみてゆくのか、経験がとても重要となります。
天狗缶詰さんのおでん缶詰 のお求めはこちらから出来ます。

  右の写真の「おでん缶詰」は静岡市にある駒越食品(株)の「KGS 静岡おでん」です。
  こちらにはつゆが無く、具にしみているので汁がこぼれる心配がありません! 7種類の具を、野菜スープで煮込み薄味に仕上げているそうですが、地元静岡県で作られたこんにゃく、黒はんぺん、などが一口大になって入っています。
  静岡のおでんの特徴なのでしょうか、おでん粉(鰹節と海苔の粉末)がついています。


  
  もう一つご紹介しましよう。信田缶詰さんの銚子風おでんです。地元の素材を使った特産品として2000年(平成12年)から発売されており、現在は月に8万缶を販売。今冬は月産15万缶の出荷を目指しているヒット商品です。
  「銚子風」という形容詞がつくのは、社長の信田臣一氏の「地産地消」へのこだわりによるもので、いわしから地元の野菜、醤油など、すべて地元産を使い、銚子特産の「源醤」という「地醤油」で味付けがしてあります。
  信田缶詰さんは1905年(明治38年)創業の老舗缶詰メーカーで、銚子に水揚げされるいわしや鯖、秋刀魚の蒲焼などの缶詰では大変な歴史を持つ会社です。
  このような缶詰会社が、やはり地元の食材にこだわりながら「おでん缶詰」を作られるというのは、おでんという日本食文化と缶詰との融合に新しい缶詰の可能性を見出したからなのでしょう。


 「おでん缶詰」を愛でる
  「おでん缶詰」は今ちょっとしたブームで秋葉原では話題を聞きつけた人たちが行列を作って買い求めているそうです。パッケージを変えた「萌え系」も登場したそうで、それはそれで、商品ですから結構です。
 でも、せっかくですから「おでん缶詰」に詰められた具の数々や醤油や調味料を工夫して開発された缶詰メーカーさんの思いを想像しながら、食べて見てはいかがでしょうか。
  きっとあったかい「おでん缶詰」になることと思います。
  信田缶詰さんは「缶詰おでん憲章」も考えられたそうですが、それほどの思いを食に携わる方々が真剣に考えメセージしていると思うと、一つ一つの缶詰がとっても愛しくなります。

  今回コラムでは以下のサイトを参考にさせていただきました。お礼申し上げます。
  「早稲田大学 水島朝穂先生」 http://www.asaho.com/jpn/index.html
   11/13:雑談(55) 「食」のはなし(10) 缶詰おでん憲章
  「B級グルメと旅行と日記」 http://2004dec.at.webry.info/
  「矢部直治のアキバB級グルメ探検隊」
  http://akiba.ascii24.com/akiba/column/yabe/2000/11/24/620024-000.html
   真実のおでん缶(前後編)

2006.11.30

 
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