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缶詰の容器 |
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スーパーやデパートの食品売り場でおなじみの缶詰。最近はFOE缶(full open end缶)の登場や缶に直接印刷されて商品のイメージがアップしていますよね。イラストや写真もきれいでカラフルです。 この缶詰の容器。缶詰会社が作っていると思っている人はいませんか?実は、製缶会社と呼ばれる容器専門の会社が最新の技術を導入して作っているんです。缶詰会社は中の食品を作る専門の会社で、製缶会社は食品を入れる容器を作る専門の会社なのです。 では缶詰の容器にポイントをあてて見てみましょう。 日本で初めて缶詰が製造されたのは、1871年(明治4)のことです。当時の缶詰用の缶は、缶詰業者が自ら製造していました。 まだまだ試行錯誤の段階です。 1913年(大正2)函館の堤商会が米国から製缶機械ラインを購入して、カムチャッカ工場に設置しましたが、第一次大戦が勃発したため設備を函館へ移し、1915年(大正4)春になってようやく機械を稼動させるとができました。そして輸出食品会社と北千島漁業株式会社に空缶を供給したのです。これが日本の製缶事業の始まりといえるでしょう。その後、「缶詰工場は自社で作った空缶を他社に売ってはならない」という法律があったため、これを改正させたり、紆余曲折をへて、製缶と缶詰加工の分業が確立していきました。 このころ、高碕達之助という人が、製缶と缶詰製造の分離が缶詰産業の発展に必要不可欠であると考え、1917年(大正6)に東洋製罐を創立し、1919年から日本初の自動製缶設備による製缶を開始しています。 この間、日本は半世紀にわたる近代化と戦争の時代に入って行きます。世界規模の戦争が缶詰の巨大な需要を生んでいったともいえるでしょう。 さて、こうして日本に製缶事業という産業が誕生します。今私たちは缶詰のみならず、クッキーなどお菓子の缶やスポーツ飲料などのアルミボトル、さらには、全く金属を使わないペットボトルにいたるまで、製缶会社の製品に囲まれて暮らしているのです。 では、缶に的を絞って、その製品を見てみましょう。 まず、缶詰に使う前のものを「空缶」(くうかん)と呼びます。薄板を型抜きし折り曲げたり溶接したりと缶の形に作っていきます。昔は缶詰会社で中身を詰めてから紙のラベルを貼りましたが、今はほとんどが板の段階で印刷され、型抜きをされていきます。 この缶、用途の違い、形状の違いからいくつかに分けることができます。 食品に用いるのが「食品用空缶」。形状の違いから、3ピース缶、2ピース缶、ドレッシー缶というふうに分けることができます。 3ピース缶は一般的なもので、底と胴と蓋の三つで構成されています。 次に2ピース缶。型押しして底と胴体を一体にしてあるもので、水産缶詰に多く使われていました。楕円形状の缶(オーバル缶)や平らな形状の缶(オイルサーディンなど)は魚の形を崩さずに入れるようにするためです。缶切り不要のイージーオープン蓋が採用されて、用途が広がっています。また、缶が出来たときに正しい印刷に見えるよう歪みを考慮したディストーション印刷を施すのも、この缶の特徴です。 三つ目は、ドレッシー缶です。一般的に乾燥食品や粉末食品を入れる缶で、外蓋を再利用することができます。コーヒーの粉が入っている缶といえば分りやすいでしょうか。 飲料に用いるのが「飲料用空缶」。これも各社しのぎを削る商品です。やはり、2ピース、3ピースそれぞれあり、しかも、中に入る飲料によって成型が違います。 ビールや炭酸飲料を入れる缶は内側から缶の外に向かって圧力(内圧)がかかります。これに耐えるために缶の底を丸くドーム型に凹ませているのが、陽圧缶。この凹みの無いのはお茶やコーヒーなど内圧のかからない、逆に内圧のほうが低い陰圧缶です。今度注意して見比べてみてください。 この他にも、缶の胴をへこませて強度やデザイン性を増した缶など本当に機能を追及しながら新しい技術を投入しているのが、缶の世界なのです。 業務用の缶のことも少し触れておきましょう。 1斗缶というのをご存知ですか?18リトルの四角い缶です。中華料理屋さんの厨房などをのぞくと、ごま油や醤油がこの1斗缶に入っています。昔は家庭用の灯油もこの缶で運ばれていました。 同じく料理屋さんでソースなどが入っているのが1号缶と呼ばれる円筒形で胴体が蛇腹になっているもの。蛇腹にすることで丈夫にしているのですが、内容積は約3kl入ります。 業務用のとっておきを紹介しておきましょう。ドラム缶です。 ドラム缶はアメリカの女性ジャーナリストで旅行家のネリー・ブライ(Nellie Bly)によって考案されました。それまで、原油や灯油の運搬、貯蔵用には木樽が使われていましたがこれに代わる容器として、登場したのがドラム缶です。彼女は1899年にヨーロッパを旅行し、そこで見たグリセリンの入った金属容器をヒントにドラム缶の生産を思いつきました。アメリカに帰国後自分が経営を任されていたニューヨーク州のアイアン・クラッド社というメーカーで生産に取りかかり、試行錯誤の末200リッタードラム缶の生産に成功して1903年にデザインを登録しています。現代のドラム缶とほとんど同じ形のドラム缶、丈夫で運搬も楽という優れものです。 好奇心旺盛な女性のおかげで、私たちは今も恩恵に預かっているのです。 |
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