マーク

缶詰のマーク


缶詰の蓋に書かれた記号は缶マークといいます
缶詰の身分証明である缶マークは日本独特のものです

缶マーク


みなさんは缶詰を買うときにどこを見て買いますか?缶詰は当然なことに中が見えませんから各メーカーは特色のあるパッケージを工夫します。以前は缶に直接印刷するのが難しかったので紙に印刷して缶に巻いていたのですが、今の缶詰はカラフルですね。内容物の写真や調理のイラスト、イメージに訴える大きなロゴマークなど工夫を凝らしています。


でもここで、ご紹介するのは、パッケージのお話ではありません。缶マークと言われるもので、缶詰の蓋に印刷されている記号たちです。これが分るとラベルを見なくても中身が分るのです!


みなさんの台所にある缶詰の蓋を見てください。なにやら、アルファベットと数字が並んでいますね。これ缶マークといってとっても大切な刻印です。今はほとんどが印刷になりましたが、以前は蓋に打缶して浮き彫りになっていました。ここには、原材料、調理方法、形と大小、そして賞味期限、さらには作られた工場が分るようになっているのです。まさに缶詰の身分証明書です。


缶マークのなかで、一番分りやすいのが賞味期限です。200×.0×.×0と印刷されていて200×の20が無いのもあります。数字ですから一目で分るようですが、実は以前は賞味期間を表示していました。賞味期間というのは、決まった条件の下に保存すればこの期間は美味しく食べられますよっていう期間を示したもの。もちろん条件が大事で、缶詰の場合は「常温保存」が条件です。


この賞味期間の表示が一時期、製造年月日の表示に変わりました。これは、消費者側の「美味しく食べられるのは分ったけどなるべく新しいものを買いたい」という気持ちと「賞味期間という幅をもったものではなんとなく不安だから製造年月日という特定のはっきりした日が知りたい」という二つが合い混ざった結果でした。ところがしばらくすると、製造年月日は分ったけれど1年前の缶詰は大丈夫?5ヶ月前は?という不安が出てきたのです。そうです。今度は消費者が自分で判断しなければならなくなったのです。もちろん缶詰にかぎらず食品メーカーや消費者センターなどでは、加工食品ごとに瓶詰めは2年、魚の缶詰は3年・・・と教えてくれます。本屋さんに並んでいる料理BOOKなどにも紹介されていますけど、スーパーで手に取りながら、そんなこと思い出したりしませんね。


そこで、1997年4月1日から賞味期限という表示に変わったのです。期限というより明確ではっきりしたものを表示することで消費者に分りやすくなったのです。現在でも、製造年月日と賞味期限を併記したものをたまに見つけますが、ほとんど賞味期限になったと思っていただいてよいでしょう。


では、賞味期限を過ぎた缶詰は食べることが出来ないのでしょうか?いいえそんなことはありません。賞味期限は決まった条件のもとで安全に美味しく食べられることを表示したものです。ですから、保存状態が良く缶に傷みが無いなら問題なく食べることが出来るといえます。保存さえ良ければ50年だってもつって教えられたこともありましたし、私も10年近く保存している缶詰もあります。経験的に賞味期限を過ぎた缶詰でも、味が染みて美味しくなっているように感じることもあります。あくまで個人的感想ですが・・・。


もし、皆さんのお宅に古い缶詰があり、さびや凹みが無く、膨張なども見られず、缶を押してもペコペコしないようでしたら、そのまま捨てたりしないで、缶を開けて丁寧に取り出して匂いや味を確認してみてください。もしかしたらビンテージものの缶詰?になっているかも知れません。


でもあくまで、ご自身の責任においてお願いします。ね!

さて、賞味期限の話が長くなりました。
他のマークを見てみましょう。私の手元にタラバガニの缶詰があります。


この缶マークは一行目に"JCN 1"と書かれています。このJCはタラバガニを意味します。次のNはまぐろを除く水産物の水煮であることを表しています。1は缶詰の缶型がカニ缶1号という意味で缶の大きさを表示しています。ちょっと親切です。この1で、蓋を見ただけで内容量が分ることになります。

次の行は賞味期限、031116とあります。もうお分かりですね。賞味期限を過ぎているのです。美味しくなるかな?


さて、おもしろいのが、3行め、NGKBと書かれています。これは、日露漁業㈱宗谷工場で作られたことを示しているのです。どうして分るかって?実は私の手もとに日本缶詰協会が出している『缶詰手帳』という小さな手帳があり、これに分類されて載っているからです。


この手帳なかなかすぐれものでして、1行目の記号で分る製品の分類も色々なのが載っています。LMはレモン、PEはうずらの卵(パートリッジ エッグ)となにやら英語からとったようです、でもLNはれんこん、MTはマツタケとこれは日本語からかな?ねっ、面白いでしょう。


もう一つ別の缶詰を見てみましょう。


ラベルに小笠原父島、アオウミガメ肉煮込と書かれた缶詰があります。どのような経緯で私のところに来たのか忘れてしまったのですが、とてもめづらしい缶詰ですね。この缶詰は小笠原父島にある小祝商店が販売者です。父島の小さな会社に缶詰工場の設備が整っているとは考えにくいので、よく見てゆくことにしましょう。缶マークの一行目はIMとあり、「その他の水煮物」と手帳に書かれています。さすがにアオウミガメです。そして2行目は050524と賞味期限。


3行目がちょっと問題です。SIK2と書かれていて手帳に記載がありません(私の手帳は1990年版)。ですがSIKは銚子の信田缶詰㈱となっています。ここで想像します。周りに載っている他の缶詰工場をみると、サンヨー缶詰㈱本社工場は、SAN1、瀬上工場はSAN2となっています。そこで、SIK2は信田缶詰の第二工場なのでは?と想像できます。
ちなみに、この信田缶詰㈱さんは、創業1905年(明治38年)、日本水産の明治44年や日露漁業の大正3年より古く、銚子に水揚げされるいわしや鯖、秋刀魚の蒲焼など、魚介を中心にした地元に根付いた老舗の缶詰会社さんなのです。


このように、缶詰製造の世界では、販売者が材料や調理方法を用意し、設備を持っている缶詰会社に委託して製造してもらうということがよくあります。缶詰会社も農作物や魚介など、自社の商品だけでは季節によって工場の稼動に波が出てきますから、空いているときには委託を受け入れるのです。


缶詰の蓋に書かれた缶マーク。一般の方にはなかなかなじみが無いかもしれませんが、手帳一つあるととっても面白いことが分るのです。缶詰一つで小笠原の父島から銚子まで旅をした気分です。何気ない記号も、みなさんをちょっとした探検者に変身させてくれること請け合いです。
















缶マークの読み方 
かんづめハンドブック より

「資料:日本缶詰協会」









































缶詰手帳は缶詰を知るための便利手帳

















アオウミガメの缶詰



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