誕生 |
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缶詰の誕生 |
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缶詰がいつごろからあるかご存知ですか?ヒント!いつの世も「必要は発明の母である、そして戦争は父である」・・・そう、缶詰も戦争によって誕生したのです。ではいつの戦争? ナポレオンによるヨーロッパ戦線の拡大がその戦争です。今から210年ほど前の1795年フランス革命が終わるも混乱するヨーロッパをナポレオンは文字通り駆け巡り、イタリアやエジプトに侵攻。1804年には自ら皇帝に即位しヨーロッパ制覇を目指します。新しいフランスの誕生です。 このとき、ナポレオンを悩ませたのが、新鮮な食料。当時は乾燥か塩漬けなどの保存方法しかなく、特に水兵は新鮮な野菜を摂ることが困難でしたから、ビタミン不足、栄養不足で病気になる兵隊も多く、新鮮な食料の確保は軍事上、政治上の重要な問題でした。 そこで、ナポレオンは皇帝になるや、賞金を出して食品保存の研究を奨励したのです。 これに見事応えたのが、「缶詰の原理」を発明したニコラ・アペール(1749~1841フランス)です。 彼の考えた方法は、食品を容器に充填した後、密封し、熱を加えるという、まさに現在の「缶詰製造原理」。空気を通さない瓶を容器にして、調理した食品を詰め、コルク栓で密封し、湯せん鍋で加熱するというものでした。これって、今も私達はジャムやピクルスをたくさん作って保存するときにやっていますよね。そしてここに缶詰が誕生したのです。ナポレオンの誕生は缶詰の誕生でもあったのです。 アペールはこの食品保存の原理の発明により、フランス政府より12,000フランの賞金を獲得しています。この時代は通貨の価値が大きく変わりますし、現在との比較も難しいのですが、今の6000万円くらいでしょうか? そして6年後の1810年、イギリスではピーター・デュランがブリキの缶を用いて特許を取得、ブライアン・ドンキンが世界で初めての缶詰工場を興し、缶詰の商業生産をはじめました。 アベールも、賞金を基に缶詰製造業を起こし、代々引き継がれて行くのですが、1845年、甥のシュヴァリエ・アペールが高温での加熱調理を可能にした機器、オートクレーブを発明し100度以上の温度で加熱殺菌が出来るようになりました。これは、今でいうレトルト殺菌です。 そして、1861年にはパスツールにより微生物が発見され、食物の腐敗は微生物が原因だということが分り、缶詰の製造も空気を抜き高温加熱するという方法から微生物を殺菌するという考えに変わってゆきます。(これはまた別のところで話ししましょう) さて、またしても戦争です。缶詰製造はアメリカにわたり南北戦争(1861年~1865年)で利用され缶詰の拡大に拍車がかかるのです。 それでは、日本の缶詰事始はどうだったのでしょう? 日本で始めて缶詰が製造されたのは、1871年(明治4年)、松田雅典という人が当時勤務していた長崎の外国語学校のフランス語教師・ジュリーの指導を受け、イワシ油漬缶詰の製造を試作したとされています。またフランス人!食への飽くなき探究心なのか。きっとフランスで食べた味が懐かしかったのでしょうね。松田雅典は後に缶詰製造に本格的に取り組みます。缶詰の先進性を実感したのでしょうね。 この6年後の1877年(明治10年)、明治政府は北海道開拓使による官営の缶詰工場を石狩川の近くに建て、川をさかのぼってくるサケを原料に我が国で初めて缶詰の商業生産を開始しました。ですから、この時期缶詰は「官詰」といわれていました。 この生産を開始した日が明治10年10月10日であったという記録により、缶詰業界では「10月10日」を「缶詰の日」に制定しています。 ちなみに、この頃「缶詰」という言葉はまだありません。近代日本最初の国語辞典である大槻文彦博士の「言海」(1891年・明治24年)にも、この改訂版である「大言海」(1932年・昭和7年)にも缶詰という言葉はありません。もちろん辞典に採用されなかったということで言葉が使われていなかったということではありませんが・・・。 さてさて、またしても戦争です。 日本でも、日清、日露戦争をきっかけに、缶詰産業が発展。大正から昭和にかけて、缶詰の生産量は大きく増加します。缶詰産業は戦争で需要を喚起されて行くのです。 国力の増大は輸出産業の発展へとつながり、この時期缶詰は欧米への重要な輸出品目となっていきます。国民にはまだまだ高価なものだったのです。 そして、皮肉にも国内の庶民に缶詰が普及するきっかけは1923年・大正12年の関東大震災で、アメリカから送られた支援物資に缶詰があったことからだったのです。現在の防災対策にも缶詰は欠かせませんが、関東大震災の時から、缶詰が活躍していたなんて感心してしまいます。 ちなみに現在の日本缶詰協会の前身「缶詰普及協会」が設置されたのは1922年(大正11年)。私達日本人と缶詰との深いお付き合いが始まるのです。 |
![]() ニコラ・アペール (1749~1841フランス) 「資料:日本缶詰協会」
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